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薬用シャンプーでハゲは防止できるのか

2026年8月13日公開 · 2026年8月9日に出典を確認 · 2026年8月17日更新

実測
済
2026年8月・公式サイト調べ/毎月更新

この記事の要点

  • 薬用シャンプーの効能として国の通知に挙がっているのは「ふけ・かゆみを防ぐ」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」など。育毛・抜け毛は入っていません。
  • ふつうのシャンプー(化粧品)が言える毛髪の効能は16項目で、そこにも育毛・抜け毛はありません。
  • 「発毛促進」の語が効能・効果欄にある製品は実在しますが、それは育毛剤で、薬用シャンプーとは別のカテゴリです。
  • 編集部は「薬用シャンプーは効かない」とも書きません。効能として認められていないことと、効果が無いことは別の話です。

健康に関する一般的な情報です。この記事に監修者はいません。痛み・持病・服薬がある場合は、開始前に医師などの専門家にご相談ください。

ドラッグストアの棚に、ふつうのシャンプーの3倍くらいの値段のものが並んでいます。「薬用」「スカルプ」と書いてある。抜け毛が気になり始めたところなら、手が伸びます。

先に結論を書きます。「薬用シャンプー」として国に認められている効能に、「育毛」も「抜け毛」も入っていません。これは効き目の話ではなく、その商品が何をうたえる商品として承認されているか、という話です。うたえないことは、パッケージにも広告にも書けません。

そのうえで、この記事が書かないことを先に言います。「薬用シャンプーは抜け毛に効かない」とは書きません。効能として認められていないことと、効果が無いことは、別の主張です。後者を言うには効かないことを示す資料が要りますが、編集部はそれを持っていません。

根拠にしたのは、法律の条文・厚生労働省の通知・PMDA(医薬品医療機器総合機構)の電子添文・製造販売元の製品表示・東京都の行政処分です。使った資料は末尾の「出典」に、確認日つきで並べてあります。

この記事の要点

  • 薬用シャンプー(医薬部外品)の効能として通知に挙がっているのは「ふけ・かゆみを防ぐ」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮を清浄にする」「毛髪・頭皮をすこやかに保つ」など。育毛・抜け毛はありません
  • ふつうのシャンプー(化粧品)が言える毛髪・頭皮の効能は16項目。ここにも育毛・発毛・抜け毛はありません
  • 法律は「脱毛の防止、育毛又は除毛」を医薬部外品の目的として名指ししています。ただしそれに当たるのは育毛剤で、薬用シャンプーとは別のカテゴリです
  • 「医薬部外品だから国が効果を認めている」という書き方は、2026年3月に措置命令の対象になりました(東京都、育毛剤の広告)
  • 効能欄に「発毛」「進行遅延」と書かれているのは医薬品です。女性・未成年は対象外と製品表示や電子添文に明記されています

薬用シャンプーがうたえる効能は、通知に列挙されている

「薬用」と書いてある商品は、薬機法(医薬品医療機器等法)でいう医薬部外品です。そして医薬部外品は、種類ごとに、うたってよい効能が決められています。

薬用シャンプーと薬用リンスについては、厚生労働省の通知「薬用シャンプー及び薬用リンスの承認審査に係る留意事項について」(平成26年5月2日 薬食審査発0502第1号)に、認められる効能又は効果が列挙されています。

区分 認められる効能又は効果
薬用シャンプー・薬用リンス共通 ふけ・かゆみを防ぐ / 毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ
薬用シャンプーのみ 毛髪・頭皮を清浄にする / 毛髪・頭皮をすこやかに保つ(または「毛髪をしなやかにする」)
薬用リンスのみ 毛髪の水分・脂肪を補い保つ / 裂毛・切毛・枝毛を防ぐ / 毛髪・頭皮をすこやかに保つ(または「毛髪をしなやかにする」)

(2026年8月9日に厚生労働省法令等データベースで確認)

この一覧に、育毛も発毛も抜け毛も薄毛もありません。薬用シャンプーとして承認されている限り、言えるのは、ふけ・かゆみ・汗臭・清浄・すこやか・水分と脂肪まで、ということです。

薬用シャンプー・リンスがうたえる効能。共通はふけ・かゆみ・汗臭を防ぐ、シャンプーのみは清浄・すこやか、リンスのみは水分・脂肪保持と裂毛防止。育毛・発毛・抜け毛はどれにも含まれない

この通知は、編集部が使った取得ツールが表を整形して返しました。効能の語そのものは確認しましたが、原典を一字一句照合する作業は、まだ済んでいません。

ふつうのシャンプー(化粧品)は16項目。ここにも抜け毛は無い

では「薬用」でないシャンプーは何を言えるのか。化粧品の効能の範囲は、平成23年7月21日の通知(薬食発0721第1号)の別表で56項目に決められていて、そのうち毛髪・頭皮に関するものが16項目あります。

  1. 頭皮、毛髪を清浄にする。
  2. 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
  3. 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
  4. 毛髪にはり、こしを与える。
  5. 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
  6. 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
  7. 毛髪をしなやかにする。
  8. クシどおりをよくする。
  9. 毛髪のつやを保つ。
  10. 毛髪につやを与える。
  11. フケ、カユミがとれる。
  12. フケ、カユミを抑える。
  13. 毛髪の水分、油分を補い保つ。
  14. 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
  15. 髪型を整え、保持する。
  16. 毛髪の帯電を防止する。

(2026年8月9日に厚生労働省法令等データベースで確認)

16項目にも「育毛」「発毛」「抜け毛を防ぐ」「薄毛」「ボリュームが増える」はありません。フケとカユミは化粧品でも言えます(11・12)。

つまり、ふつうのシャンプーから薬用シャンプーに替えたときに、表示の上で増えるのはふけ・かゆみを「防ぐ」と言えること、汗臭を防ぐと言えることあたりです。抜け毛の欄が空白なのは、どちらも同じです。

「薬用と書いてあるから育毛」は成り立たない

法律の条文には、たしかに育毛が出てきます。薬機法第2条第2項第1号ハは、医薬部外品の目的の1つとして「脱毛の防止、育毛又は除毛」を挙げています(これらの目的で、人体に対する作用が緩和なもの)。2026年8月9日にe-Gov法令APIで確認しました。

ただし、この目的に当たる医薬部外品は育毛剤であって、薬用シャンプーではありません。同じ「医薬部外品」でも、種類が違えば言える効能が違います。「薬用と書いてあるから育毛と言える」は、ここで成り立たなくなります。

実物で見ます。薬用アデノゲンEX(医薬部外品。資生堂)の商品ページの効能・効果欄には、こう書かれています(原文ママ)。

育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛

(資生堂オンラインストアで2026年8月9日に確認)

医薬部外品の育毛剤の効能・効果欄に「発毛促進」の語が実在します。だから「発毛と書けるのは医薬品だけ」という説明は、そのままでは正しくありません。

上の9語はこの製品の表示として確認したもので、育毛剤全体の効能の範囲ではありません。効能欄の文言は、そのままの形でしか読めません。

棚の前でできる確認

読者が自分で確かめられる順序は、こうなります。

  1. パッケージか公式サイトに「医薬部外品」の文字があるかを見る
  2. あれば、その製品の「効能・効果」欄を探して、書いてある文言をそのまま読む
  3. 期待していいのは、その文言の範囲までです。要約や言い換えをしない
  4. 「医薬部外品」の文字が無ければ化粧品です。上の16項目の範囲しか言えません

注意が2つあります。効能・効果欄が見当たらない製品があります。ライオンの「薬用毛髪力 イノベート」(医薬部外品)の商品ページには特長の説明はありましたが、効能・効果欄はありませんでした(2026年8月9日確認)。欄が見つからないなら、その製品の効能は分からない、と扱ってください。

もう1つ。商品ページのキャッチコピーは、効能・効果欄ではありません。たとえば資生堂メンの薬用スカルプトニックの商品ページには、効能・効果欄ではない場所に、効果を述べた説明文が載っています(同日確認)。これは承認された効能の表示として読むものではありません。

「医薬部外品だから国が効果を認めている」は、措置命令が出た表現

「薬用=国のお墨付き」という受け取り方には、行政処分の実例があります。

東京都は2026年3月23日、プルチャーム株式会社に対し、育毛剤「イクモアナノグロウリッチ」(医薬部外品)の表示について、景品表示法に基づく措置命令を行いました。指摘された表示は6つあり、代表的なものは「\国が育毛効果を認可/」など誰でも容易に発毛効果が得られるかのような表示、使用前後の頭髪画像を掲載した表示、広告であることを全く記載していなかった表示(ステルスマーケティング)です(残る3つは出典に記載)。

報道発表には「景品表示法の規定に基づき、表示の裏付けとなる合理的根拠を示す資料の提出を求めたところ」という記載があります(2026年8月9日確認)。

最初に潰されているのが「国が認可」系の表現です。医薬部外品であることを効果の公的なお墨付きとして示すのは、この命令で優良誤認とされました。効能欄に「発毛促進」と書けること(前の節)と、効果を保証してよいことは、別です。使用前後の写真も、それ自体が違反類型として挙がっています。

効能に「発毛」「進行遅延」があるのは、別の区分の製品

区分ごとに、確認できた文言を並べます。化粧品(16項目)・医薬部外品の薬用シャンプー(ふけ・かゆみを防ぐ ほか)・医薬部外品の育毛剤(薬用アデノゲンEXの例)はここまでで見たとおりです。医薬品はこう続きます。

区分 例 効能・効果として確認できた文言
一般用医薬品(第1類) リアップX5プラスネオ 壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。
医療用医薬品 プロペシア(フィナステリド) 男性における男性型脱毛症の進行遅延
医療用医薬品 ザガーロ(デュタステリド) 男性における男性型脱毛症

出典と確認日は末尾にまとめています。表の文言は、いずれも原文ママです。

リアップX5プラスネオ(製造販売元: 大正製薬)は第1類医薬品で、有効成分はミノキシジル5.0g/100mLほか。製品表示には、使ってはいけない人として女性(「日本人女性における安全性が確認されていないため」)、未成年者(20歳未満)、壮年性脱毛症以外の脱毛症の人が挙がっています(2026年8月9日確認)。

第1類医薬品は、販売時に薬剤師が情報を提供することが法律で義務づけられています(薬機法第36条の10)。買って届けば終わり、という類型の商品ではありません。

処方薬のほうも、効能欄の言葉は控えめです。プロペシア(フィナステリド)の電子添文の効能又は効果は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」。ザガーロ(デュタステリド)は「男性における男性型脱毛症」という適応疾患名だけで、効果の程度を示す語は効能欄にありません。どちらも「男性型脱毛症のみの適応であり、他の脱毛症に対する適応はない」「20歳未満での安全性及び有効性は確立されていない」と注意書きがあり、ザガーロは禁忌に「女性」が明記されています(いずれもPMDAの電子添文で2026年8月9日確認)。

「治る」「元に戻る」と書かれている段はどこにもありません。いちばん強い区分の文言でも「進行遅延」です。

学会のガイドラインにも、シャンプーは出てこない

日本皮膚科学会の「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」が扱うクリニカルクエスチョンは14項目(フィナステリド内服・ミノキシジル外用・植毛術など)。CQの表題に「シャンプー」の語はありません。

よくある質問

薬用シャンプーに替えれば抜け毛は減りますか

減るとも減らないとも書けません。薬用シャンプーの効能に抜け毛は入っていないので、少なくとも「そういう商品として承認されたもの」ではありません。

効果が無いことを示す資料も編集部は持っていないので、否定もしません。

「スカルプ」と書いてあるものはどうですか

「スカルプ」は法令上の区分ではありません。見るべきは「医薬部外品」の文字と効能・効果欄で、商品名の言葉ではありません。

医薬部外品の表示が無ければ化粧品で、言える効能は16項目の範囲です。

フケやかゆみには効きますか

フケ・かゆみは、化粧品でも薬用シャンプーでも表示できる効能です(化粧品は「とれる」「抑える」、薬用は「防ぐ」)。

ただし、これは効能として表示できるという話で、あなたに効くかどうかの保証ではありません。

女性が使ってもいいですか

確認した発毛剤(リアップX5プラスネオ)は、製品表示で女性は使用してはいけないとされています。処方薬のザガーロは禁忌に女性が明記されています。

シャンプーの区分については、男女で分ける記載を編集部は確認していません。

病院に行ったほうがいいですか

編集部は判断できません。ただ、確認できた事実として、処方薬の効能欄は「男性型脱毛症の進行遅延」など適応が限定されており、他の脱毛症は適応外です。

自分がどれに当たるかは、編集部が記事で決められることではありません。

今日からできること

  • 棚の前で、まず「医薬部外品」の文字があるかを見る。無ければ化粧品で、言える効能は16項目です
  • あれば効能・効果欄を探して読む。商品名やキャッチコピーではなく、その欄が、その製品がうたえることのすべてです
  • 「国が認めた」「これで生える」と書いてある広告は、いったん疑う。同じ表現に2026年3月、措置命令が出ています

ここが、いまのあなたの伸びしろ。まず今日、いま使っているシャンプーの効能・効果欄を1回読むところから。3倍の値段の1本に何を託していたのかが、そこで見えます。

この記事には監修者がいません。書いたのは表示制度と法令の話であって、あなたの頭皮の状態についての助言ではありません。気になる変化があるなら、医師に相談してください。

朝の寝ぐせの直し方はすぐに学べて一生使える寝癖の直し方の基本に、髪の形が決まる仕組みは髪型が決まらないならワックスより先にドライヤーを疑うにまとめています。見た目のことで手をつける順番に迷っているなら、男磨き診断で確かめてください。ほかの記事は記事の一覧にあります。

出典

編集部の立場: 薬機法第66条は「何人も」を主語に、効能・効果の虚偽・誇大な記述を禁じています。名宛人はメーカーだけでなく、紹介する側のメディアも含まれうる書き方です。編集部は効果を裏づける資料を持たないため、この領域で効果の断定とビフォーアフター画像は使いません。特定のクリニック・医療機関も名指ししません(医療広告規制の名宛人にメディアが含まれるかを確認できていないため)。学会ガイドラインの各項目の推奨度も書きません(推奨度は本文PDFにしかなく、編集部は読めていないため)。

法令(いずれも2026年8月9日にe-Gov法令APIで確認)

厚生労働省の通知(いずれも2026年8月9日に厚生労働省法令等データベースで確認)

医薬品の電子添文(PMDA。いずれも2026年8月9日確認)

製造販売元の製品表示(いずれも2026年8月9日確認)

行政処分・診療ガイドライン

  • 東京都 報道発表「育毛剤の販売事業者に対する景品表示法に基づく措置命令」2026年3月23日(2026年8月9日確認) https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/03/2026032307。指摘された表示は本文の3つのほか、ノーベル賞を受賞する程の画期的な効果があるかのような表示・実際には作成された投稿を実在する人物のSNS投稿であるかのように表示・在庫が無くなったかのように示す表示の3つ
  • 「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」日本皮膚科学会(Mindsガイドラインライブラリ。CQの一覧のみ確認、本文PDFは未読。2026年8月9日確認) https://minds.jcqhc.or.jp/summary/c00458/

この記事は出典の確認にもとづいて書いています。髪の領域では、編集部は自分で実測をしていません。編集部が製品を使って確かめた事実は、この記事にありません。

著者: 垢抜けクエスト編集部

公開 2026年8月13日 / 出典確認 2026年8月9日

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